たとえ13.5坪の敷地であっても、法規上の最大限の建築面積を確保すると約19畳の広さとなり、住宅として充分な大きさの居住空間が出来る。これを高さ方向の抜け感が得られる1階に配して、広がりを持たせた。白く極端に抽象的な外観は、東京という都市を読み解いた結果であり、街並や道行く人々との関係が相対化されて、両者とも際立って見える。RC躯体は、熱環境を考慮した外断熱の薄塗り左官仕上で、開口部回りはパンチングメタルの目隠しで覆われている。外部から内部の様子を窺い知れないのは、内外を断絶させるためではなく、内から外への開放性をより高めるための措置である。この住宅は、外観がインテリアの様に白く抽象的で、内部がコンクリート打ち放しのインテリアであるために、かつての都市住宅における内部と外部が、反転した様相となっている。
設計監理:三幣順一/A.L.X.
構造設計:久米弘記(久米弘記建築構造研究所)
施工 :武南建興
所在地 :東京都
用途 :専用住宅
構造規模:鉄筋コンクリート造3階建
述床面積:78.3m2
竣工年 :2010年
写真撮影:鳥村鋼一
掲載誌 :『新建築住宅特集』2011年2月号
Architects: SAMPEI, Jun.ichi/A.L.X.
Structral engineers: KUME, Hiroki Structural Engineer Laboratory
Photographer: TORIMURA, Kouichi
Location: Tokyo, Japan
Usage: Residence
Structure: Reinforced concrete 3stories
Total floor area: 78.3m2
Completion date: 2010
Publishing magazine: SHINKENCHIKU JUTAKU TOKUSHU, 2. 2011