クライアントのデザイナーは、事務所でもあり、アトリエでもあり、ギャラリーでもある複合的な要素を持つ次の拠点としての「函」を望んでいた。 敷地は都心部の間口3m奥行9m弱の約8坪大きさで、南側と東側は隣地の同じ建物によって覆われているが、西側は2m以上離れており、北側の前面道路は幅員10mで街路樹が豊かで人通りも少なく、北西の緑地帯は神宮外苑の銀杏並木に繋がる。 そこで良好な北西の環境を内部に取り込み敷地の広さを超えた空間的な広がりを得ることを目的に、西側隣地境界を敷地の正面と捉え東側に壁を立てて、その壁を背に北西面と向き合う配置とした。 また敢えて、敷地の奥に光庭を設け、道路側には視線を避ける効果も期待した螺旋階段を設けて、吹き抜けを細長い敷地の手前と奥に配した。スペースを最大限有効利用する為に、壁の厚みや、開口部のサッシュの見付を極限まで細く薄くしているが、内外の関係を近づける効果も生み出している。
設計監理:三幣順一/A.L.X.
構造設計:久米弘記(久米弘記建築構造研究所)
施工 :ヨシナガ工業
所在地 :東京都港区
用途 :アトリエ、オフィス、スタジオ
構造規模:鉄骨造
敷地面積:26.96m2
建築面積:16.01m2
延床面積:32.02m2
竣工年 :2021年
写真撮影:鳥村鋼一
掲載誌 :新建築住宅特集2022年5月号
Architects: SAMPEI, Junichi /A.L.X.
Structural engineers: KUME, Hiroki
Photographer: TORIMURA, Kouichi
Location: Tokyo, Japan
Usage: Atelier, Office, Studio
Structure: Reinforced steel
Building area:26.96m2
Site area:16.01m2
Total floor area: 32.02m2
Completion date: 2021